葛西特許事務所 kasai patent Office サイトマップお気に入りに登録
Home
事務所紹介

事務所の方針

弁理士の紹介

事務所概要

事務所所在地

業務紹介

特許 実用新案

意匠

商標

コンサルティング業務他

顧問契約

料金表

所外活動について

講演・セミナー

著書

採用情報

Q&Aよくあるご質問

リンク集

お問い合わせ
葛西特許事務所
〒541-0051
大阪市中央区備後町 1-6-15
明治安田生命備後町ビル 9 階
TEL (06)4706-1113
FAX (06)4706-1117
無料相談窓口お問い合わせ

新着情報


【役立ち知識:著作権】フェアユース
(2016/09/12)
 
 海外のいくつかの国では、著作物の利用について「フェアユース」という考え方が存在します。著作権者の許諾なく著作物を利用しても、その利用が一定の条件の下(※1)で「公正な利用」(フェアユース)と裁判において判断されれば、著作権の侵害にあたらないとされるものです。
 これまで日本ではこのような解釈の幅の広い考え方は採用されておらず、写真への写りこみや引用等の、著作権が及ばない例外について、著作権法第30条〜第47条枝番(合計34類型の権利制限規定)においてあらかじめ細かく規定されてきました。

 しかし、このような規定ぶりであると、当事者が事前に著作権侵害に当たるか当たらないかが判断し易くなる一方で、事情を総合考慮すると実質的に著作権侵害とは認め難い(公正な利用に当てはまる可能性がある)と思われるが上記の権利制限規定の類型には該当するものが無いために著作権侵害と認定せざるを得ない、といった事案も発生する虞があります。
 又、現代のデジタル・ネットワーク時代における著作物の利用態様の複雑化により、著作権が及ばないものとした方が良いと思われるすべての場合について先んじて権利制限規定を設けることが難しくなってきています。

 そこで、現在、平成28年5月9日に内閣が決定した「知的財産推進計画2016」によると、日本でもフェアユースを導入することについて検討が進められています。具体的にどのような規定になるかは未だ確定しておりませんが、上記の権利制限規定をすべてアメリカ型のフェアユース規定等に入れ替えるわけではなく、研究や報道目的であれば利用可能となる目的限定タイプや、「上記の権利制限規定に掲げる行為のほか、やむを得ないと認められる場合」という規定ぶりに変更する受け皿タイプ等を、現在の権利制限規定に追加で導入する案が検討されています。(一定の柔軟性のある権利制限規定)
 もしこのようなフェアユースが日本でも導入されれば、著作物の利用の態様が広がると思われます。一方で、裁判所の裁量が大きくなり、当事者にとっては利用して良いのかの事前の判断が難しくなる側面もあります。フェアユースの今後の行く末に注目が集まっています。



(※1)
 例えばアメリカでは、著作権法第107条において、
(1)利用の目的、性質(利用が営利的か非営利かという点を含む)
(2)著作物の性質(単なる事実か否か、創作性の高いものか否か、等)
(3)利用された部分の量と質(量の多少、著作物の核心的部分か否か、等)
(4)利用行為が著作物の市場に与える影響
 以上の4つの観点を総合考慮して、その著作物の利用が公正な利用(フェアユース)と認められれば、著作権を侵害しないものとする、との規定が存在します。フェアユースの例として、批評、報道、教育、研究等を目的とした利用が挙げられています。


<前へ | 一覧 | 次へ>



このページのトップへ


  HOME | 事務所の方針 | 業務内容 | 講演・セミナー | 採用情報 | よくあるご質問 | リンク集

 サイトマップ | プライバシーポリシー

Copyright(C) 2005 Kassai Patent Office. All Rights Reserved.