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【役立ち知識:意匠・商標】意匠の「類似」と商標の「類似」
(2017/07/21)
 
 意匠においても商標においても、「類似」という概念があります。例えば、登録意匠に「類似」する意匠を他者が無断で製造や販売した場合には排除することができます。商標においても同様です。
 ですが、「類似」の意味合いが意匠と商標では若干異なります。

 意匠においては、「需要者の美感が共通するか」を基に判断されます。具体的には、意匠同士を左右に並べて観察したとき受ける印象が概ね共通していれば、類似するとされます。このとき、その物品の使い方から需要者がよく注意して見る部分や、公知意匠にはない新規で創作的な部分は、要部として重点的に考慮されます。
 又、意匠における類似の幅は、斬新なものほど広く、一方、時代の変動とともに同種類の物品が数多く出れば出るほど狭くなります。その同種物品におけるありふれた形態変化は需要者に特段の美感を起こさせないためです。

 これに対し商標においては、「需要者が出所を混同するか」を基に判断されます。具体的には、商標同士を時と場所を離して観察したとき両者を混同するおそれがあれば、類似するとされます。このとき、外観(見た目)、称呼(呼び方)、観念(イメージ)、取引の実情等が全体的に考慮されます。
 又、商標における類似の幅は、時代の変動とともにその商標が使いこまれることによって業務上の信用が強く化体していく(周知・著名になっていく)につれ広くなる場合があります。需要者が出所を誤認混同するおそれがある範囲がより広くなるためです。



(脚注)
 更に具体的な判断手法の一例として、高田忠「意匠」(有斐閣、昭和44年)152頁には以下のように記載されています。
 (意匠の判断手法である間接対比観察について)“繊維製品の模様の類似判断には,問題となっている二つの意匠を左右に並べて壁に貼り,約10歩程退いて2,30秒間観察し,目をつむっている間に,その壁に貼ってある意匠を他の人が左右を勝手に貼り変え,再び目を開けて見て,観察者が左右を混同すれば類似しているとし,混同しなければ類似しないとするといわれている。”
 (商標の判断手法である離隔観察(隔離観察)について)“例えば三越で甲物品を見,その足で高島屋へ行って乙物品を見るとか,今日甲物品を見て,明日乙物品を見るとかいう風に,時間的または空間的に一定の間隔をおいて観察する方法である。”

 意匠については、非常に限定された分野ではありますが意匠の類否判断の特徴を示す以下のような例があります。
 (不服2016−14608から抜粋、編集)



 両意匠は類似しないと判断されました。
 「正面図の部分拡大図」に示すような、多数の整列したブロックとその間の溝から構成されるタイヤのトレッドパターンは、ブロック表面の目に付く部位に形成されたものであって、これを看る需要者(取引者を含む概念)はブロック設置面の形態を注視すると言えます。そのため、ブロック縦溝の溝幅のパターン変化などの具体的な構成態様が要部となり、両意匠は看者たる需要者に別異の印象を与えると判断されたものです。
 引用意匠以外に存在する同種物品がどのような態様であるか、又、対比する両意匠の差異点が需要者の注意を強く惹きつける要部であるか否か等によって、意匠の類否判断の結論は変わることになります。


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