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【役立ち知識:特許】IoT関連技術の発明該当性
(2019/06/28)
 
 特許法では発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義しています(第2条)。従って自然法則自体、自然法則に反するもの、単なる発見であって創作でないもの、数学上の公式、人間の精神活動、技能、情報の単なる提示、美術品等は上の定義に合致しないため、いずれも発明に該当しません。

 コンピュータソフトウェアを利用するものについては、特許庁の審査基準によれば、ソフトウェアが機器等の制御を具体的に行うものである場合(エンジン制御等)、ソフトウェアが対象の情報処理を具体的に行うものである場合(画像処理等)、或いは、ソフトウェによる情報処理がPC, CPU, HDD, メモリ等のハードウェア資源を用いて具体的に実現されている場合に、発明に該当すると扱われます

 ところで近年、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)とBD(ビッグデータ)との組み合わせによる第四次産業革命の実現とそれによる経済的発展とが期待されています。特許庁は、IoT関連技術の権利取得の予見性を高めるため、審査事例を審査ハンドブックに掲載して、どのような技術が特許可能性を有するかを世界に先駆けて公表しました。AIやIoTはソフトウェアを利用するものであり、BDはデータの集積であるため、これらは発明該当性が問題になる可能性が有ります。

 特許庁が公表した事例を見ますと、例えば、発電・放電・蓄電・売電・買電を行う電気制御システムにおいて、「電気の売買価格に基づいて電気消費者の経済的利益を増大させるように制御する」という内容の技術は発明に該当しないとされるのに対し、「電力価値算出部が算出した電力価値が高い時間帯で売電、蓄電及び放電を行い、買電は行わないよう電力制御部が制御する」という内容の技術は、機器等の動作を目的に応じて具体的に制御するものであるから、発明に該当すると認定されています。

 又、文書の要約を作成するコンピュータにおいて、入力手段、処理手段、出力手段を列挙しただけの内容の技術は発明とは認められないのに対し、「文書の解析、単語の抽出、抽出単語の出現頻度の算出、出現頻度による文重要度の算出、文重要度による文の選択、選択した文による要約の作成」という使用目的に応じた演算・加工が具体的に記載されている場合は、発明に該当すると判断されています。

 IoT等のソフトウェア関連技術を発明に該当させるには、「ソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的手段又は具体的手順によって、使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工が実現されている」ことを請求項で明確に表現することが必要です。


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